研究概要
建築分野の基幹材料であるコンクリートは、セメント、水、骨材(砂、砂利、砕石)などを混ぜて作り、時間の経過とともに硬化していきます。硬化過程ではコンクリート中の熱や水分が複雑な挙動を示し、また外気からの影響も受けるため、コンクリートの強度は条件によって異なってきます。このようなコンクリートの強度発現、発熱・温度履歴、水分拡散、さらに耐久性に関する研究を進めています。
教育・研究活動の紹介
コンクリートはセメントの水和反応によって硬化します。フライアッシュを混合すれば、そのポゾラン反応も関与します。そこで、これらの反応モデルを出発点とし、コンクリート中の発熱、熱伝導、水分拡散の現象を数値解析によって予測するとともに、これらが強度に及ぼす影響を精緻に推定するシステムを開発しました。このシステムを活用すると、要求性能を確実に満足したコンクリートを合理的に作ることができます。
今後の展望
建築材料には多機能化が求められており、次の研究にも着手しています。
1)CO2吸収機能を有する植栽型コンクリート
2)超音波を利用したコンクリート内部の欠陥探査技術
3)高層建築物に用いる超高強度鉄筋の接合システム
4)工場生産と現場施工を融合したプレキャスト複合コンクリート
社会貢献等
上記研究のほか、建築工事の標準仕様書策定(JASS 5、JASS10、鉄筋継手など)やJIS制定にも深く関わっていますので、これらに関連した技術指導も可能です。