研究概要
鋼構造建築物の接合要素・接合部の力学挙動を実験により検証し、その結果を実務で用いる設計指針に活かす研究、実構造物に採用する性能向上を目指した新しい接合要素・接合部を開発する研究を行っています。
教育・研究活動の紹介
図1は1700Mpa級の超高力ボルトを物質材料機構、「大阪市立大学と共同研究プロジェクトを進めて実現したボルトです。これにより、ボルト本数削減、接合部のコンパクト化が可能となります。この研究成果として特許証が登録されています。
図2は付着接合形式の露出柱脚を佐藤邦明博士と開発し、共同研究を行ったものです。アンカーボルトとベースプレートの施工誤差を鉄骨柱に接合する鋳造金物を用いた付着接合で解決し、スリップ挙動が生じず、コンパクトである柱脚です。
図3は美観と耐久性に優れたステンレスを枠付きブレースに用いた耐震補強工法を愛知製鋼と共同で開発した事例です。意匠性を大切にしてディテールや製作方法に種々の工夫を取り入れてすっきりしたデザインを実現しています。
また、多くの地震被害調査を行っています。阪神・淡路大震災では建築物の甚大な被害を目の当たりにしました。これは,研究を進める上で大きなモチベーションとなっています。東日本大震災や熊本地震でも被害調査を行いました。台湾の集集地震では日本建築学会の被害調査団に参加しました。
今後の展望
鋼構造建築物は設計・製作・施工が繋がって実現しています。これらそれぞれに問題点があり、それぞれが連続する上で生じる問題点があります。これらの問題解決を引き続き進めていきます。建築構造に関連することでご相談やご提案などあればお声かけください。
社会貢献等
企業とは鋼構造に関連する多くの共同研究を進めています。宇都宮市とは既存大谷石建築物の耐震性能を検証するために共同研究を行いました。