研究概要
英語や日本語の文法の研究を通して,人間言語の文法における普遍的な性質と言語間の差異を明らかにすることを目指しています。また,そうした基盤研究に基づき,第二言語の習得ではどのような項目が困難もしくは容易であるのかという問題の探究も行なっています。
教育・研究活動の紹介
研究については,上記の内容を個人または他大学の研究者と共同でプロジェクトを進めています。現在は,ケンブリッジ大学の研究者を中心に,上海交通大学,中央大学の研究者と英語と日本語や中国語をミックスした人工言語を作って第二言語の獲得を研究する国際共同プロジェクトを進めています。また,東京大学のメンバーと一緒に子どもの第二言語の発話データ分析も行なっています。その他,様々な大学の研究者と第二言語の文法習得に関する共同研究を行なっています。研究結果から英語を中心とする教育現場への示唆も行なっていきたいと考えています。
教育活動については,ゼミではグループ研究を行い,興味深い研究成果が得られた場合には,積極的に国際学会で発表することを推奨し,丁寧に指導しています。海外の大学との合同発表会も計画しています。
今後の展望
今後の展望の一つとして,第二言語の文法の習得研究からの知見を応用し,どのような文法指導をしたら的確な知識の習得に至るのかという点についても調べて行きたいと思っています。
社会貢献等
国際ジャーナルや国際学会の査読者のほか,学会の運営委員として,学会運営のほか,学生や若手研究者の育成活動にも協力しています。また,第二言語研究の成果は,主に英語教育関係の人たちをはじめとする方々へ,様々な形で届けたいと考えています。最近では,アウトリーチ活動の一環として,言語学フェス2024という非専門家も多数集まるオープンな発表会で第二言語研究の成果について専門外のオーディエンスに向けて話しました。さらに,専門知識がなくても卒論レベルの研究ができるようになるための入門書も執筆中です。