研究概要
光、熱、電気、機械的刺激などの外部刺激に応じて色が変わるクロミック分子系は、情報の伝達・表示分野、さらには生体の構造・機能を模倣した分子システムにおいて重要な役割を果たしています。私たちのグループは、物質の色および発光などの光学特性や物理的な動きを出す動的機能を、外部刺激を用いてコントロールすることを可能とする分子材料を適切に設計・合成し、新しい機能発現や組織化、デバイスへの応用展開に関する研究を行っています。
教育・研究活動の紹介
特に、フォトクロミックまたはπ共役系のクロモフォアを基盤とした新たな機能性色素分子を合成し、個々の分子にはないポテンシャルを有する超分子集合体やナノ・マクロスケール組織構造の形成・制御を行い、新機能・新概念の創出、さらに新しい化学の創成を目指して研究を行っています。一方、国内外の他グループとの共同研究も進んでおり、様々な機能性材料の開発や応用展開について多数の成果を報告してきました。
今後の展望
これまでに、光、電場、機械的刺激などによる各外部刺激で、可逆的に変化する液晶や高分子材料を開発してきました。今後は、これらの機能性材料を一体化することによって、新たな複合機能性材料の開発を考えています。具体的には、複数の外部刺激に応答できるように、分子内および分子間相互作用を「プログラミング」し、分子から発生する光、電場、機械的信号を自律的に伝達や増幅できる分子システムを構築したいと思います。
社会貢献等
エレクトロクロミックデバイス,特開2022-149675
パターンの製造方法および半導体装置の製造方法,特願2017-222951