研究概要
近年、様々な刺激応答性を有する共有結合、非共有結合が報告されてきています。これらの結合(超分子的な相互作用)を高分子の構造内に組み込むことによって、ナマコの様に外部からの刺激に対して硬さを大きく変化させるなど、目に見える物性の変化を示す頭のいい(スマートな)マテリアルの開発を行ってきました。例えば、高分子構造を巧く設計することで、照射する光の波長によってゲルの状態、ゾルの状態へと変化させることが出来る材料を作製しました。これらの光刺激に応答した状態変化は何度でも繰り返し行うことが出来ます。これらの研究成果は自己修復材料など様々な分野での応用が考えられてきています。(Angew. Chem. Int. Ed. 2010 etc.)
教育・研究活動の紹介
高分子に様々なパーツ(お椀型分子など)を修飾することでこれまでの高分子材料にはない特性を持った材料を創り出すことができます。それは電気や光、pHなどに応答する刺激応答性材料であったり、人間の皮膚の様に傷を自動的に修復する材料です。さらには含水率が高い材料同士を強く強固に接着するための化学の面からの技術開発も行っております。
今後の展望
実際に皮膚の変わりに用いることの出来るゲル材料の開発や、赤外光の照射で血管を詰まらせ、がん細胞を死滅させることができる刺激応答性ゲル材料の開発等を行っていきたいと考えております。
社会貢献等
・宇都宮大学さくらフェスタ 「サイエンスカフェ」で講演
・国内特許4件、国際特許3件取得