研究概要
※一部の細菌はヒトに対し感染症を引き起こします。このとき、細菌同士が情報伝達分子をやりとりし、自分たちの仲間が十分に増えたことを確認してから、病気の原因物質の生産を活性化するクオラムセンシング機構が利用される場合があるのです。この情報伝達分子を効率良く吸着するナノ素材、高分子材料などを開発し、細菌感染症やバイオフィルムの形成を予防する新技術の開発を目指しています(図1)。
※ヒドロゲルは水で膨潤した特性から、食品、細胞培養の足場材料、微生物固定化担体、薬物や有効成分の放出担体として利用されます。高分子溶液の流れ場を利用し、繊維状のゲルフィラメントが数百から数千本の束となったファイバーを構築する新規な合成法を確立しました。簡便なゲル繊維の合成技術は様々な応用が期待されます(図2)。
教育・研究活動の紹介
※細菌の遺伝子解析、遺伝子工学的手法による物質生産、微生物生態、微生物機能を制御するナノ分子、高分子材料まで一括した解析を行います。
※リポソーム、高分子ミセル、シクロデキストリン、電界紡糸法による高分子ファイバー、固定化酵素、固定化微生物、各種ヒドロゲルの合成など、材料化学を基盤として生物工学、医薬への応用に向けて研究を展開しています。
今後の展望
※細菌感染症、バイオフィルム予防などの微生物制御素材の開発
※独自の製法で簡便合成するゲルファイバー利用技術
社会貢献等
<特許>
・「長期徐放型薬剤硬膜外腔留置システム」特許
・「束状構造を有するゲルファイバー集合体の製造方法」特許
・「ゲルファイバー複合体及びその製造方法」特開