研究概要
・形状制御が容易、短時間で高濃度合成可能などの利点を持つ、シングルモードマイクロ波加熱ポリオール法やマイクロ波加熱水熱/ソルボサーマル液相還元による銀・銅などの各種金属ナノワイヤ・ナノプレートの合成について研究しています。
・機械的・電気化学的剥離による数層グラフェンの合成について研究しています。
・各種ナノ材料表面処理による高電導性/熱伝導性ナノペーストやナノインク、ナノ流体(ナノフルイド)の合成と、プリンテッドエレクトロニクスや伝熱流体への展開に関して研究を行っています。
・有機シラン、チオール系自己組織化単分子膜(SAM膜)による表面改質を利用して、親液性~疎液性に至る広範囲な表面ぬれ性制御と、流体ハンドリングや沸騰伝熱、凝縮伝熱促進について研究しています。
・SAM、ソフトマター材料、ナノ材料を利用する固体-固体間界面熱抵抗削減について、東北大・岩手大・東理大・名古屋大・産総研と共同で研究しています。
教育・研究活動の紹介
約20年にわたり、日本宇宙フォーラム公募研究、NEDOグリーンITプロジェクト、未利用熱エネルギー革新的活用技術研究プロジェクトやJST CRESTなどからのご支援をうけつつ、各種固体表面への化学的表面改質、各種液体/ソフトマターに高濃度に自発的に分散する、異方性の強い、ロッド、ワイヤ、プレート、フレーク状に形状制御した金属・酸化物・炭素系ナノ材料の合成と、これらの熱マネージメント分野への応用について研究を進めており、表面ぬれ性やナノ材料形状と熱輸送特性の相関について、実験から得られた豊富な知見を持っています。
今後の展望
「ナノ材料」は高価で貴重なイメージがあり、それが実用化への妨げになっていることは否めません。私たちはナノ材料の熱マネージメント分野への展開を考えており、その実現のためには「安価」で「迅速」に「大量」にナノ材料を作ることが必要です。マイクロ波利用や剥離法によるグラフェン系材料合成はその一つの回答であり、今後もこの立場からの研究を進めていきます。
社会貢献等
ベンチャー企業から日本を代表する大企業に至る民間企業との2者間共同研究成果や、国プロの再委託研究成果からの共同特許出願の実績があります。
特許出願状況
・特許第5105529号(水和反応制御方法と発熱材)
・特許第5605563号(熱伝導率測定用プローブ及びその製造方法)