研究シーズ集

工学部

准教授 佐久間 洋志さくま ひろし

基盤工学科・情報電子オプティクスコース
佐久間 洋志
キーワード

磁気測定,磁性材料,X線回折,計測と制御,低温測定,温度制御,真空機器

分野

磁気工学,結晶工学

研究テーマ

・永久磁石を用いた磁場源の開発
・ナノスピントロニクスのためのプローブ顕微鏡の開発
・X線を用いた薄膜の結晶構造や配向等の解析

所属学会等

日本磁気学会,電気学会,電子情報通信学会

特記事項

振動試料型磁力計(共有装置),薄膜X線回折装置(共有装置)を用いた測定,プローブ顕微鏡を用いた電気・磁気測定に関してご協力できるかもしれません

URL

MAIL

hsakuma※cc.utsunomiya-u.ac.jp(※を半⾓@に変換してください)

TEL

028-689-6095

研究概要

現在、主に二つのテーマについて研究しています。一つ目は永久磁石を用いた磁場発生装置です。計測等で磁場を必要とする場合には電磁石が主に使われますが、電磁石は大きな電力を必要とします。実は静磁場の発生にはエネルギーは必要ありませんが、電磁石はジュール熱としてエネルギーを消費します。永久磁石を使えば、少ないエネルギーで磁場を発生でき、冷却も必要としません。永久磁石を使った磁気浮上やドラッグデリバリーにも取り組んでいます。
もう一つは、プローブによる電気・磁気特性のナノスケール測定です。鋭くカットした金属の針を試料表面に接触させて、電気・磁気特性を測定します。プローブと試料は、ミリメートルからナノメートルスケールまでシームレスに移動可能なステージに設置し、光学顕微鏡により位置合わせを行います。簡単なシステムですが、ナノメートルスケールの電気・磁気測定を行うことが可能です。右の写真は、永久磁石による磁場発生とプローブ測定装置です。磁場の強さや向きを変化させながら試料表面の磁気抵抗効果を測定しているところです。

教育・研究活動の紹介

日々、計測の周辺で新しくて面白いガラクタを作っています。機械設計から計測システムの設計(安い部品の選択)、機械加工、制御プログラムの作成まで行っています。大きさとしては人間のスケールからナノスケールまで、環境としては磁場、極低温~高温、高真空まで扱います。プログラミング言語はLabVIEWPythonOctave (MATLAB)などを使います。計測・制御に加えて、最近では生物の進化を模した進化戦略による最適化にも取り組んでいます。また、X線を使った結晶構造解析もできます。このような技術がどこかでお役に立てば幸いです。
また、学生と一緒に、ゼロ秒思考、ロジカルシンキング、マインドマップといったテクニックをベースに、情報を集める→情報を整理する→それに対する自分の考えをまとめる→他人に説明する、といったスキルを効率よく身につける方法について研究しています。

今後の展望

我々にできることはほんのわずかですが、いつか何かの役に立つ研究を探しています。

社会貢献等

磁気を中心とした計測や結晶の評価に関して共同研究やお手伝いができればと思います。特に磁気工学の分野は、非線形な磁場応答(ヒステリシス)や複雑な単位系などが災いして、取付きにくい分野として知られています。磁性材料を使いたいが、一から勉強している余裕はない、というときには是非ご相談ください。