研究概要
心理学的および数理的に裏付けられた手続きにより、人同士の自然なコミュニケーションを分析/モデル化すると同時に、人と機械のより良いコミュニケーションを実現するための工学的アプローチを通して、コミュニケーションの本質に迫る研究をしています。
感情次元(右図:快-不快,覚醒-睡眠)による話者の感情状態を評価した音声対話コーパス[Mori et al. 2011]を開発し、感情状態の変化が音声に与える影響をモデル化しています。このコーパスを基にした深層学習技術により、音声から感情次元を推定したり、多様な感情を伝える音声を合成したりすることができます。
教育・研究活動の紹介
●理論と実践の両方を重視しています。手を動かすことの重要さ、作ったものが見える・動く楽しさを知ってもらうため、PCによる分析・ビジュアライゼーションとプログラミングを体験してもらっています。
●データの重要性を理解してもらうことを心がけています。「データサイエンス入門」「データ解析」「データ工学」の授業を担当し,データ活用のための基礎、統計的データ解析の理論と実践、最先端の機械学習技術の教育ができます。
今後の展望
深層学習技術の急速な発展により、音声情報処理研究や音声対話研究は、単なるテクノロジーの高度化だけではなく、人そのものに迫ろうとする方向に変容して行くことが予想されます。私たちの研究の重要性は、今後ますます大きくなって行きます。
社会貢献等
●肢体不自由者のコミュニケーション支援装置 (特開2009-003704)
●電子情報技術産業協会(JEITA) 感情や意図を表現するための 話し方種別のガイドライン(IT-4012)の策定にあたり、専門的立場からの提言を行いました。