研究概要
<小学校下学年において比例的推論の基礎を育てる授業のデザイン研究>
比例的推論は、二量の間の比例関係に基づいて、一方が○倍になると他方も○倍になること等を使って問題を解決していく考えです。比例関係は、小学校高学年で学ぶ変化や対応の関係であり、中学校以降の関数の学習へ繋がっていきます。この研究では、小学校教師と協働で、小学校下学年の児童に対して、比例的推論の基礎を育てていくための授業をデザインし、実際に指導を行い改善していく中で、児童の思考の様子を調べ、また、教材や指導の仕方についての示唆を得て行くことを目指しています。
<数学の授業の国際比較研究>
数学は世界各国で教えられている内容に類似性が高く、以前から国際比較が行われてきています。1990年代には、TIMSSの付帯調査として中学校2年生を対象にしたビデオ調査が行われ、日本の授業の特徴等についても関心を持って調べられてきています。この研究では、日本の問題解決型授業について、その特徴とともに、そうした授業の中での子どもの学びの様子を捉えていくことを目指して、熟練教師の授業の記録と分析を行っています。
<数学教師の成長について>
教師が算数や数学の授業実践力を高めていく過程に関心を持って、宇都宮大学に派遣される現職の教員とともに研修・研究を行っています。
教育・研究活動の紹介
宇都宮大学教職大学院の専任教員として、「算数・数学授業デザイン論」「教材開発と教育方法の実践と課題」「授業実践基礎」等の授業を担当しています。地域の学校で長期実習を行う大学院生(現職教員を含む)、また、大学生とのゼミを通して、教育・研究活動を行っています。
今後の展望
学校現場の先生方との協働研究を更に進めていきたいです。その延長として,教員向けワークショップや研修プログラムも考えてみたいです。
社会貢献等
算数・数学教育に関して講演や研修を行ったり、小・中学校の授業研究会で助言を行ったりしています。