研究概要
私の専門は数学の一分野である微分幾何学です.微分幾何学は曲がった空間を扱う幾何学で,平らな空間を扱う幾何学であるユークリッド幾何学と比べると複雑な点も多く大変ですが,曲がった空間特有の興味深い数学的な現象が数多く存在しています.私はその中でも,対称性の高い空間である「対称空間」を研究テーマのメインに据えて研究を進めています.平面や球面など高校までの数学で出会う空間の多くは対称空間であるため,対称空間は最も基本的な空間の一つであるといっても差し支えないかもしれません.実際,対称空間においては様々な数学的な量を具体的に計算することができます.対称空間を調べる方法は微分幾何学的な手法だけでなく,対称性を扱う理論である群論を用いることもできるため,様々な方面からのアプローチで研究を進めています.
教育・研究活動の紹介
教育活動に関して,学生の皆さんと意思疎通をすることを大事にしています.数学は,積み重ねの学問であり,先の内容を習得するためには今向き合っているものを確実に身に着ける必要があります.そのためには,授業内において,学生の皆さんがしっかりとその内容を理解して先に進む必要があると考えています.こうしたことから,しっかり学生の皆さんと意思疎通を行い,双方向であるような授業を行いたいと考えています.
今後の展望
対称空間は20世紀の中ごろには分類も完成してしまい,多くの数学的現象も解明されています.しかしながら,まだよく研究の進んでいない現象も存在し,さらには最新の数学との関係も見いだされています.対称空間上のそうした未知の数学的現象の解明を目指し研究を進めていきます.
社会貢献等
栃木県内の中学校・高校において,数学の出張授業や講演会を行っています.また,現職教員向けの数学の勉強会・講演会なども行う予定です.