研究シーズ集

共同教育学部

教授 井口 智文いのくち ともふみ

自然科学系・理科分野 井口研究室
井口 智文
キーワード

生物教育,変態,胃の進化, pepsin,cathepsin E

分野

生物教育・発生生物学

研究テーマ

・小・中・高等学校生物実験の改良と開発
・両生類胃部域の変態期における分化機構の解明
・Cathepsin Eの生理的機能の解析

所属学会等

日本生物教育学会,日本動物学会,日本生化学会,日本発生生物学会

MAIL

inokuchi※cc.utsunomiya-u.ac.jp(※を半⾓@に変換してください)

TEL

028-649-5318

研究概要

生物教育分野 小学校から高等学校の教科書に記載されている生物分野の実験や観察は実際に行ってみると難しいものが多数ありそれらを学校現場で行いやすくする改良を行っています(下図)。また、教科書の内容理解に有効な実験が記載されていない単元では、単元に即した新たな実験や観察法の開発を行っています。
基礎生物分野オタマジャクシからカエルになる期間のことを変態と呼んでいますが、この時期は消化管にも大きな変化が起きています。胃部域を中心に変態期にどのような変化が起こるのかを研究しています(下図)。また、オタマジャクシの胃には消化酵素であるペプシンは発現していませんが、カテプシンEという酵素を発現していることを発見しました。現在はこのカテプシンEの生理的機能についても研究しています。

ホウセンカ道管観察法の改良
ウシガエル胃部域の変態期における変化

教育・研究活動の紹介

普段の授業については学生が「分かる」をテーマに行っています。演習や実験では、実験の意味と内容理解は当然として論理的思考の育成を心掛けています。実験を行なっての研究は大変さが前面に出やすいですが、実験は楽しさや面白さも持ち合わせていますので、実験の楽しさ面白さが伝わるように研究指導を行っています。また、現在はイモリを中心に研究を行なっているため年間を通じてイモリを飼育し適宜幼生を得ています。

今後の展望

生物教育分野での今までの研究により改良・開発した実験をもっと学校現場に紹介して行きたいと考えています。基礎生物分野での研究によりカエル(無尾類)で分かったことが、同じ両生類であるイモリ(有尾類)と何が同じで何が違うのかを明らかにして行きたいと考えています。また、カテプシンEの生理的機能や胃の進化を考えるために魚類のカテプシンEについて研究を広げて行く予定です。

社会貢献等

高校生向けの実験講座や出張講義を毎年多数行っています。研究の成果を学校現場に還元し、さらに生物実験の改良と開発を行いたいので、学校現場の先生がたと意見交換の場を持ちたいと思っています。