研究シーズ集

共同教育学部

助教 髙山 林太郎たかやま りんたろう

人文社会系 国語分野
髙山 林太郎
キーワード

日本語学,日本語史

分野

日本語学

研究テーマ

・日本語諸方言の音声・音調の共時的研究
・日本語諸方言の音韻・アクセントの通時的研究
・音声・音調に関わる文法の研究

所属学会等

日本音声学会、日本語学会

MAIL

rtakayama※cc.utsunomiya-u.ac.jp(※を半⾓@に変換してください)

TEL

028-649-5255

研究概要

これまでに調査した日本語諸方言のうち代表的なものは、青森市方言、盛岡市方言、東京方言、東京都東村山市方言、八丈方言、岡山市方言、尾道市方言、高知県方言、鹿児島県甑島里方言、鹿児島県沖永良部島国頭方言です。東京大学の言語学研究室に所属しつつ国語研究室で文献研究も学びました。修士論文は八丈方言の長母音・二重母音の地区間比較(八丈実記の分析を含む)、博士論文は高知県方言の音調(アクセント・イントネーション)を扱いました。音調の通時的な調査研究を進めるなかで、文法的・語用論的意味を表す音声・音調の意味論についても考察を深め、更にソシュールとパースが築いた記号論を再検討する考察を始めています。

教育・研究活動の紹介

教員を目指す学生の皆様には、大学レベルの日本語学を広く浅く学ぶ機会を提供できればと考えています。日本語学講読の授業では万葉集などの文献を、文字・音韻・文法の分析方法を身につけるという観点から精読しつつ、日本語歴史コーパスなどの使い方も学びます。文章表現の授業(15回中5回担当)では、文章表現の背後に存在する文法や社会習慣について解説します(短歌の詠み方の授業もあります)。日本語学概説Bの授業(15回中5回担当)では、文字論(漢字・仮名・アルファベット・数字)、社会言語学、比較言語学、対照言語学、日本語史を扱います。日本語学演習(ゼミ)の授業では、各々の日本語研究を進めてもらい、毎回進捗状況を発表してもらいながら、余った時間で調査研究の仕方や卒論の書き方、日本語史や文法に関する講義などを実施します。基盤科目「日本の方言」では、音調の話題も含めて、概論だけでなく個別の方言の詳細を見ます。

今後の展望

現段階では、日本語諸方言のアクセントを比較して祖体系に再構する研究の続きや、記号論を再検討する研究の続きを考えています。また、令和6年4月に着任したばかりなので、当面は環境に慣れることが目標です。

社会貢献等

・2020年4月以降、第22回以降の言語聴覚士国家試験解答解説「リハドリル」(株式会社アイペック)執筆業務(「音声学、音響学、聴覚心理学、言語学」の問題を担当)

・博士論文『高知市方言の一拍挿入低起式化形』の話者、下原氏は満州国陸軍士官学校卒業生の遺児で、自身の引き揚げ及びその後の体験を自伝として纏めたいとのことで、PCによる執筆をサポートした(自伝出版補助):下原瑞惠(2022)『狭間にて:原点哈爾濱を想う』高知:リーブル出版.