研究概要
【差別的起訴、検察官の訴追裁量、司法取引に関する研究】
わが国の検察官は、広範な訴追裁量権を有しており、その行使の在り方次第では、起訴の公正性が問題となる。2016年刑事訴訟法改正により新設された「協議・合意制度」および「刑事免責制度」の運用にあたって、(1)どのような場合に許されない訴追裁量権の行使となるのか、(2)検察官の不公正な訴追裁量の行使に対し、その不当性をどのように立証するのかを解明するために、研究を進めている。
【法教育、主権者教育に関する研究】
法教育や主権者教育においては、わが国が抱える問題点は何か、新制度導入によって、よりよい社会になるのか、という観点から、新制度導入の是非を自ら考え、主権者として判断する能力を生徒に修得させることが必要である。このような法教育や主権者教育を実践するためには、まず、教員自身が主権者としての資質を身につけていることが必須であることから、このような能力を、教員自身に修得させるための教員養成および教員研修の取組みを行っている。
教育・研究活動の紹介
講義では、世の中の出来事や事件を取り上げ、法的視点からの分析を行う。また、裁判員裁判の傍聴や、検察庁見学などを通じて、学生に、わが国の刑事司法の現状は、果たして憲法の理念や原則通りに運用されているのかを考察させる機会としている。
今後の展望
従来と同様に、研究、教育、社会貢献活動に精力的に取り組みたい。
刑事弁護人や現職教員との連携や、国および地方公共団体への貢献を引き続き行いたい。
社会貢献等
①国や地方公共団体の審議会等の各種委員を務める。
②法教育、主権者教育、人権教育に関する講演などを行う。
③刑事事件や憲法問題などに関して、報道機関への取材協力(事件の争点の解説、コメント等)を行う。