研究概要
専門は教育学、学校教育学、技術教育学。普通教育としての技術教育、すなわちすべての子どもが受けることになっている技術教育のあり方に関心をもっています。ユネスコの技術・職業教育に関する条約等では、普通教育としての技術教育は、普通教育として不可欠な要素と考えられていますが、わが国では中学校技術・家庭科の技術分野でしか行われておらず、中学校でしか取り上げられておらず、しかも1教科としては成立していません。なぜ、このようなことになってしまったのか、その経緯を明らかにすることを主要な研究テーマとしています。具体的には、元文部省職員旧蔵文書の収集と整理、教育関係雑誌・雑誌記事の収集と整理に取り組みながら、経緯の解明に取り組んでいます。同じ問題を新制中学校教育課程史研究として、第二次大戦後日本の中学校教育課程について、学校経営案・学校要覧・教育課程表を集めながら実際の教育課程とその変遷を明らかにしています。
教育・研究活動の紹介
授業は、共同教育学部の共通的な科目として教育課程、教育方法、特別活動（教科外活動）に関する科目を担当しています。そのほか、生活科指導法、技術科指導法等も担当しています。教職大学院では実務家教員と複数で学級経営に関する科目を担当しています。授業では、実際にどのようなことが行われているか（行われてきたか）、当時の資料を見てもらう、現地に出かけて五感をつかってリアルに理解してもらうことを大切にしています。
資料の収集と整理を大切にしており、宇都宮大学附属図書館に文部科学省関係行政資料（各種教育関係審議会議事録など）、教科書（復刻版含む）を備え付けてきました。長年かけて集めた都道府県教育史は全国で最もよく揃っています。
今後の展望
引き続き、日本教育課程史研究に取り組み、宇都宮大学共同教育学部を教育課程研究・教科教育研究の拠点の一つにしたいと考えています。
社会貢献等
国立教育政策研究所・戦後教育改革資料編集に従事しました。クレス出版から刊行された文献資料選集の編集にも従事しました。多くの方に利用される教育関係資料の整理と公開に関心をもっています。
