研究概要
漆工芸の分野において、漆造形研究として作品制作、そして1990年代後半より、中国・東南アジアの漆工芸産地を訪れアジア漆工芸の調査研究を行ってきた。2005年にアジア漆工芸学術支援事業(任意団体)を立ち上げ東南アジアを中心に技術公開やワークショップなど、漆工芸職人や漆芸研究者とともに、宇大生や国内の芸術系大学生と現地の学生との多国間教育交流活動を通し、若い世代に漆工芸文化の魅力を伝える支援を行ってきた。経済変化の大きい東南アジア各地の最新の漆工芸現状学術調査を行い、その成果(調査記録と提案作品)を国際展覧会にて発表、さらにアジアの漆工芸文化の記録・現状・未来への提案に関する資料(ビデオアーカイブ)の作成を継続的に行っている。
教育・研究活動の紹介
学生は素材に触れ、道具を使用しその素材を加工し、表現に転化させる経験が少ない。授業では、実素材に直接触れ、手指や体を使い、素材が工芸技術を通して制作していく過程で、どのような表現の可能性があるかを考えられるよう、多くの機会を提供していきたい。産地見学や漆工芸を通した国際交流活動も行なっている。
今後の展望
引き続き、漆造形表現研究としての作品制作、変化するアジア各国の漆工芸現状調査研究、漆工芸を通した交流やデザイン開発に取り組みたい。
社会貢献等
・展覧会・ワークショップ等の企画・運営
2022年9月「アジア漆の造形と祈りー東南アジアの漆ー展」東京藝術大学大学美術館陳列館 企画運営
2012年9月「漆・うるわしの饗宴展」(巡回展 東京・京都・福島)
その他、ミャンマー、タイ、ラオス、ベトナム、カンボジア、中国等、国内外での企画や出品多数。
・地域の公募展の審査
栃木県美術展、神奈川県美術展、Global Eco Artisan Awards Jury (AGAATI Foundation) 他