研究概要
子どもの体力は低下傾向にあり、体力・運動能力調査から、昭和60年頃を境に子どもの走る力、投げる力などは、全年代において長期的に低下の一途をたどっていることが明らかにされています。こうした問題に対応するには、パフォーマンスのような量的な数値データではなく、動き方の特徴のような質的なデータが重要となります。下図は、男子小学生の投動作をコンピュータによって動作を解析したものです。こうしたデータをもとに、子どもの各種運動(動作)の特徴を明らかにしていきます。そして、望ましい動作モデルの動きに対して動きのポイント(注意点)や体力的な運動プログラムを具体的に提案します。また、体育を専門としない小学校教員の先生に対して、動作の良否を評価するための運動観察の観点を理解するための研究も行っています。
教育・研究活動の紹介
就学前の幼児から中学・高校生までの運動能力(動作発達)について研究しています。その中で、走・跳・投などの運動能力を記録だけでなく、その動き方を評価する観点を明らかにしようとしています。そして、これまでの研究成果をもとに各年齢に応じた体力や運動能力を高めるための具体的な対策や方法についてアドバイスしたいと考えています。最近では、運動指導における運動観察力の向上させるための研究や体育授業においてICTを活用して効果的な学習成果を得るための研究も行っています。
今後の展望
今後は、運動学習に役立つ運動観察力を向上させるための研究や体育やスポーツ指導において効果的なICTの活用方法を提案できるよう研究を進めていきたいと考えています。
社会貢献等
発育期(とくに就学前から中学生)におけるスポーツや運動指導の在り方に関する講演や講習をこれまで数多く行ってきました。栃木県教育委員会のとちぎ子どもの未来創造大学の体験講座「子どものかけっこ教室」を開催してきました。その取り組みは、将来教員を目指している学生も参画し、スポーツ指導を通して子ども理解を深める活動に役立っています。また、現職教員、とくに小学校教員の体育やスポーツ指導力の向上に関する支援についても協力したいと考えています。