研究シーズ集

データサイエンス経営学部

助教 熊本 真一郎くまもと しんいちろう

データサイエンス経営学科
熊本 真一郎
キーワード

データサイエンス,確率過程,経路積分,くりこみ群,弱解

分野

データサイエンス、理論物理学

研究テーマ

・経路積分を用いた確率過程の定式化
・非摂動くりこみ群による量子色力学の解析
・弱解理論の相転移現象への応用

所属学会等

日本物理学会

MAIL

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研究概要

【データサイエンスの研究】確率過程とは、時間と共にランダムに変動するデータに関する数理モデルであり、物理学、化学、生物学、経営学、経済学等の様々な分野に応用されています。私の研究では、主にファイナンスデータの確率過程を、理論物理学の分野で生まれた経路積分によって定式化し、その数学的解析手法を開発しています。また、この研究によって開発された解析手法を社会科学等の現象に応用する研究にも取り組んでいます。

【理論物理学の研究】相転移という物理現象は、例えば水が、固体の氷、液体の水、気体の水蒸気と、その形態を温度とともに不連続に変える現象のことです。この自然界にはこの他にも多くの相転移現象が存在しますが、私はそれらに共通した普遍的性質や数理的構造を弱解理論を用いて解明する事を目標として研究しています。また、素粒子物理学の分野において、自発的対称性の破れという機構によってバリオン粒子の質量が力学的に生成される相転移現象を非摂動くりこみ群という手法によって解析する研究にも取り組んでいます。

教育・研究活動の紹介

【教育】データサイエンス経営学部の科目では「確率・統計2」、「確率過程論」等、基盤教育科目では「データサイエンス基礎」、「人間社会と情報の世界C(統計学入門)」を担当しています。数学関連科目では、専門科目や卒業研究等で応用できるようになることを目標にしながらも、基礎的な部分を大切にしながら講義をしています。また、データサイエンス関連科目では、実際の研究やデータ分析の現場における課題解決を想定しながら、確率論・統計学に基づいた分析技術等を講義・演習形式で教えています。

【研究】研究対象となる1つの現象を解析する際に、確率論、偏微分方程式論、理論物理学等の複数の分野の手法を用いながら、分野横断的にアプローチする研究を行っています。

今後の展望

数理モデルとして確率過程を記述する確率微分方程式と経路積分の等価性を用いて、理論物理学の分野で開発された経路積分の解析手法を確率微分方程式に応用する新たな研究に取り組みたいと考えています。

社会貢献等

高校生向けに基礎的なデータサイエンスについての出前授業を行っています。また、大学コンソーシアムとちぎの単位互換科目として、担当しているデータサイエンス科目を登録しています。企業の方々には、確率論、統計学、データ分析の学術指導も行っています。