研究シーズ集

データサイエンス経営学部

教授 畑中 信一はたなか しんいち

データサイエンス経営学科
畑中 信一
キーワード

超音波,ソノケミストリー,ソノルミネッセンス(音響発光) ,音響キャビテーション気泡,極限環境反応場,低環境負荷

分野

ソノケミストリー(超音波化学)

研究テーマ

・ソノルミネッセンス分析によるソノケミカル反応場解明
・ナノ材料の環境調和型ソノケミカル・プロセッシング
・水中微量有機物のソノリシス(超音波分解)による無機化

所属学会等

日本ソノケミストリー学会、日本化学会、日本音響学会、電子情報通信学会、電子情報通信学会、応用物理学会、人工知能学会、他

特記事項

各種超音波発生装置(超音波ホモジナイザー、超音波洗浄機、各種超音波振動子・ファンクションジェネレータ・パワーアンプ)、ハイスピードカメラ等が使用可。

URL

MAIL

社会共創促進センターにご連絡ください。(※を半⾓@に変換してください)

研究概要

液体に超音波を照射するとキャビテーションと呼ばれる微小な気泡が発生します。その気泡がつぶれる時に、瞬間的に数千度・数百気圧(水溶液中では約5000℃・500気圧)の高温高圧が生じます。しかし、高温高圧の期間は一瞬であるため、マクロな液体は常温常圧のままです。この環境に優しい極限環境反応場を用いて、ナノ材料合成や有害物質分解を行います。
ソノケミカル反応場は発光(ソノルミネッセンス)を伴うことが多く、図1に一例を示します。金属塩を溶かすと炎色反応と同じ色が現れます。分光解析で温度がわかり、図1(上)青白色は約8000℃、(中)橙赤色は約2000℃です。
ソノケミストリーによる金ナノ粒子の合成例を図2に示します。金イオン水溶液に超音波を照射すると、数分で金ナノ粒子が生成します。下図は透過型電子顕微鏡(TEM)像です。ソノケミカル合成した金(Au)/パラジウム(Pd)粒子やカーボンナノチューブ(CNT)、燃料電池電極触媒活性を示す白金Ptカーボン担持体(担持体のカーボンブラックやCNTは市販のもの)も同図に示します。

図1. 硫酸中(上)と金属塩Na(中), Ca, Sr, Ba(下)の硫酸溶液中のソノルミネッセンス
図2. 塩化金酸水溶液への超音波照射による金ナノ粒子の生成の様子(上)とTEM像(下)

教育・研究活動の紹介

AI・機械学習を用いて材料開発を行うマテリアルズ・インフォマティクスとの関連で、授業は「AI・機械学習入門」「Python入門」「データリテラシー」等を担当しています。AI・機械学習を道具・手段として用い、生成AIも活用し、学生がビジネス/研究に生かせる知識・技能を習得できるよう尽力しています。

今後の展望

超音波には面白い現象が数多くあります。液中/空中の微粒子の非接触操作や超音波霧化の研究も行っています。一見不思議な種々の現象のメカニズムを解明し、地域・社会に貢献できるような応用につなげていきたいです。

社会貢献等

・[市民講座] 中学生/高校生向け体験学習「超音波のふしぎ」
・[特許] 小塚晃透ら:キャビテーション気泡観察装置, 特許第3834611号他
・企業からの依頼で洗浄やコーティング剤の剥離等への超音波の効果を調べたこともあります。お気軽にお問い合わせください。