研究概要
近年,雑草,野生鳥獣,昆虫などの急増が農業場面のみならず人間社会の様々な場面で影響を及ぼすようになっています。これらの発端であり,助長する要因となるのが,地域生態系におけるバランスの乱れです。私の研究室では,地域生態系を下支えする植物の集団(植生)に注目し,生態系のバランスの調整に必要な知見の集積と,バランス調整に有効な植生管理技術の構築を目標に研究を進めています。
教育・研究活動の紹介
地域生態系を人の暮らしと自然の相互作用系と捉え,人間による土地への関わり方に注目しながら植生管理の対象や手法を設定しています。研究をはじめ,授業や実習,学生との交流などにおいては,現場の姿や声をしっかりと捉えるフィールドワークを大事にしています。
今後の展望
地域レベルで植生の管理に取り組もうとすると,直面するのは人も予算も極めて限られているという現実です。こういった状況を踏まえ,より省力的かつ低コストで実践できる植生管理システムの構築を目指しています。
社会貢献等
地域植生を巡る問題の解決は,人,資金,それらを動かすシステムをどう機能させるかがカギになると考えております。行政や企業と協働しながら,既存の技術や考え方も含めて,植生管理に必要な要素を地域内に浸透および最適化させる取り組みを実践していきます。