研究概要
日本産農産物、特に果実類の高品質流通技術の開発を基盤として、国内流通から海外流通(輸出)に於ける品質維持技術、高品質化技術、流通によって変化する食味に関連する物質の把握、さらに実際に食味やおいしさがどう変化するのかを官能試験などで見える化する研究を行っています。特に、高品質流通が難しいとされているイチゴについては独自の方法を考案・開発し、海外の味覚評価機関の審査で2016年以降連続して最高の評価を得、青果物としては世界で初めての賞もいただきました。これらの取組みは研究成果の第三者評価による実証と考えています。この研究成果の一部は、日本産イチゴの世界展開技術のひとつとして量産化し、社会実装しました。世界の皆さんに日本の高品質なイチゴを、品質を落とすことなく届ける技術として活用いただけますと幸いです。
教育・研究活動の紹介
研究室では、学生が担当する課題も含めて実用化を目指した研究を行っていますが、社会的なニーズの把握や一般の方に分かり易い説明のトレーニングとして積極的に展示会に出展しています(写真)。また、研究の対象となる生産や流通の現場に必ず出向き、現場の方と交流するようにしています。研究は現場から生じていることを体験します。
今後の展望
果実の「おいしさ」を研究対象に加えています。甘みや酸味などの内部品質、硬さなどの物理的品質、色付きなどの外観品質、香りや歯触りなどの官能品質などから、「おいしい」評価につながるための流通条件や生産条件を明らかにしたいと考えています。また、価格や価値といった経済的側面も重要な要素として組み込んでいけたらと思います。
社会貢献等
研究テーマ設定の条件のひとつとして実用化を挙げ、これまで実用化に至った特許等知財権が数件あります。研究成果で少しでも社会のお役に立ちたいと考えております。