研究概要
林業について、主に量的側面から分析をしています。現在は、国勢調査を用いた林業労働力動向の分析、また賃金や離職に関する要因分析を行なっています。また最近新たに始めたばかりですが、木材価格分析にも取り組んでいます。栃木県という林業県にいるため、栃木県を対象に県内の林業会社や森林組合、県の担当部署などへの聞き取り調査とデータ収集のほか、現場作業員の方への聞き取りも行っています。国勢調査は調査項目が多いので、今後の用途拡大を目指し、どのような可能性がありうるのかを模索しています。木材価格では、その動きはどのような特徴がみられるのか、またどのような要因が影響しているのかを探っております。
教育・研究活動の紹介
最近では、林業は一般求職者の就職先の一つになってきています。一方で、林業の現場作業は依然として給与面及び安全性において課題を抱えています。このように林業は近年、一般の労働市場の中でとらえるべき存在になっており、このような林業労働について主に量的分析によってその特徴を捉えることに挑戦しています。また大学の森林科学科に所属していることから、職業観を学生に聞いてみる、同じ学科の先生方とも連携するなどして、林業も含めた仕事観の変化の把握に努めています。
今後の展望
林業は特に地方において地域の重要な雇用先でありながら、現場での就業環境では給与面や安全面においてまだまだ課題があります。そのため、定着についてもまだ課題が残っている状態です。これは栃木県についても同様で、これらの課題の改善を進め、林業就業者の就業環境と定着の改善を目指して取り組んでおります。
社会貢献等
栃木県での林業系専門学校の設置検討、人材育成プログラムなどについて、意見交換を行いました。県内林業事業体とも意見交換を実施しており、今後研究成果を踏まえたフィードバックができるようにしていきたいと思います。