研究概要
我が国では年間約45,000件もの農作業事故が発生し、毎年350名を超える人命が失われています。他産業では労働衛生環境の改善が徹底的に進められ、2009年における労災事故死者数は1971年の約2割にまで削減しています。しかし農作業事故死はこの40年間ほとんど変わらず高位安定のまま推移しています。
農業従事者の減少と高齢化が急速に進む今日、産業の安定性·持続性を保つためにも、農作業事故を起こさせない安全な就労環境を創出することは喫緊の課題といえます。農村計画学研究室では、農作業と管理作業の安全性を高める基盤構造の解明と創出に取り組んでいます。
教育・研究活動の紹介
私達の研究フィールドは、現実の農村社会です。そのため教育と研究のモットーは“現場に学び、現場に還す”こと。丁寧なフィールドワークを通じて、現場の課題を拾い、その解決策を紐解き、教育と研究の成果を実社会に還元することが当研究室の強みです。
今後の展望
農業という産業の継続性を考えた時、最優先されるべきは生産性よりも労働者の安全性に他なりません。年齢や性別などの属性を前提にすることなく、農業をやりたいと思った人がどんな時でも安全に作業できる圃場、つまり“ユニバーサルデザイン圃場“の創出と社会実装を目指します。
社会貢献等
福島県公共事業評価委員会委員
小山市環境審議会委員