研究概要
食を支える農業生産は、優れた圃場機械の適切な利用が大切です。私の研究室では、農業の生産性向上と作業労働や環境負荷の低減を図り、持続的に安定した農業生産を支援することを目標として、工学的手法に基づく圃場機械の最適化と安全性快適性を考慮したシステム開発を行っています。
教育・研究活動の紹介
農業機械は過酷な環境下で使用されており、農作業事故解消の観点から、作業者の安全性と快適性を確保することが喫緊の課題です。特に整備が行き届かない山間部の農道は、農業機械の転倒や転落事故が後を絶ちません。
そこで、農道や圃場の地形と農業機械の諸元を調査してシミュレーションモデルを構築し、MATLABによる数値解析を行っています。これにより動的な挙動を把握して、どのような状態が最も安全か、どのようにすれば事故が回避できるかについて考え得る限りの状況で検証を行っています。また、3D-CADを駆使して模型を設計・製作して実際に検証も行っています。
今後の展望
農業機械開発に従事した経験から、様々な農業機械の構造や利用方法を理解しており、農作業従事者の立場に立った農作業安全と軽労化、環境負荷軽減に資する研究を進めていきたいと思います。
社会貢献等
農業食料工学会では平成18年に学術賞を、平成29年に論文賞を受賞しました。2013年には英文誌EAEFでもBEST PAPER AWARDを受賞しました。また、農業機械開発に従事していた際に農業機械関連技術の特許を100件以上取得しており、平成13年に四国地方発明表彰日本弁理士会会長奨励賞を、平成21年には四国地方発明表彰愛媛県支部長賞を受賞しています。