研究概要
哺乳動物の発生と生殖の仕組みを明らかにするとともに、体外受精などの培養系を用いた発生工学手法を開発し、産業への貢献を目標としています。
具体的には、胚(受精卵)の着床前発生(図左上)、胚(受精卵)の着床能力獲得(図右上)、胚と子宮の相互作用による着床の成立(図左下)、子宮の胚受容と妊娠の成立(図右下)、などについて分子機構の解明に取り組んでいます。そして、発生と生殖の仕組みを明らかにしながら、その成果を生殖工学などの技術開発につなげる取り組みも行なっています。
教育・研究活動の紹介
胚(受精卵)の着床に関連する分子機構を解析し、体外培養系で着床能力を操作する手法の開発に取り組んでいます。また、母体の子宮に胚移植をすることで着床能力がどの様に変化しているかを検証しています。これらのアプローチを用い、これまで着床能力を獲得したと思われていた状態が、実際には着床能力を誘起された状態であり、その後にエストロゲン受容体が分解されないと胚は着床出来ないことを明らかにしています。また胚の着床能力を高める培養系作出に取り組み、マウス胚において着床率を約30%向上させる培養液を開発しています。
本研究室で学んだ学生は専門性を活かし、不妊治療における生殖補助医療胚培養士としてや、畜産・実験動物の分野で活躍しています。
社会貢献等
技術移転希望項目 ・着床率向上培養液 ・高能力の胚(受精卵)の評価・選別技術
特許出願状況 ・特開2020-184994(哺乳動物胚の選別)・特願2022-88499(活性酸素種による胚質判定)