研究概要
アブラムシ類には農作物の害虫として有名な種がいる一方で、絶滅に瀕している種やまだ種名が付けられていない種、海外から侵入してくる種などもいます。そこで、まずはこれらの種の同定を行い、害虫である種の防除や絶滅が危惧される種の保護などに役立てるために、1年の間その種が、いつどこで何をしているのかといった生活環の解明をしようとしています。このために日本各地でアブラムシを採集し、プレパラート標本の作製、異なる日長や温度での飼育をして出現するモルフ(型)を調べるといった方法で研究を進めています。
教育・研究活動の紹介
教育においては主に実験を担当していますが、昆虫の外部形態、天敵類、採集と標本作製、農薬の薬効試験などを行っています。学科の全ての学生に対して基礎的な実験を行い、応用的な実験は選択制となっているカリキュラムです。
研究に関しては、農業害虫を中心に各種アブラムシ類の飼育法のノウハウを持っています。その他、栃木県における昆虫相の解明やレッドデータブックの作製にも関わってきました。
今後の展望
アブラムシは無性生殖と有性生殖を繰り返しているが、同種内でも有性生殖を全く行わないクローンが存在することもあり、このクローンがどのような要因によって出現するのか調べたいと思っています。
社会貢献等
とちぎ昆虫愛好会(アマチュアの同好会)の運営
地方公共団体における自然環境保全に関する業務への協力
農薬の薬効試験の受託
飼育維持しているアブラムシ類の提供