研究概要
高度経済成長期以降、薪炭林の利用低下や耕作放棄地の増加によって、野生鳥獣の好適生息地が国内に広がりました。その結果、ニホンジカやイノシシなどの分布域が急速に回復し、各地で農林業被害が発生しています。また、地球規模での経済活動の進展によって外来種の侵入が促され、自然生態系の保全を進める上で大きな課題となっています。
こうした野生鳥獣と人との軋轢を解消するため、個体群生態学などの基礎分野だけではなく、野生動物管理や生態系保全といった応用研究も行っています。
教育・研究活動の紹介
農作物や人身被害で社会問題となっているイノシシの食性や栄養、繁殖状態の評価や、週齢分析による個体群評価に関する研究を進めています。これらの基礎的データは、イノシシに起因する問題を科学的に解消するための礎となります。また、イノシシを生捕して標識を装着する追跡調査も実施しており、動物の捕獲に関する技術についての相談も対応可能です。
今後の展望
日本の総人口が減少する一方で、野生鳥獣の好適生息地の拡大を止めることが出来ていない状況です。将来的にも鳥獣管理は社会的課題であり続けると考えられます。
社会貢献等
社会活動・IUSN Wild Pigs Specialist Group、環境省 鳥獣保護管理プランナーなど