研究シーズ集

工学部

教授 大庭 亨おおば とおる

基盤工学科・応用化学コース・超分子化学研究室
大庭 亨
キーワード

蛍光プローブ、電位感受性色素、ナノ医療、光や放射線を用いるがん治療、脳神経系、ペプチド、有機合成、生物有機化学、ケミカルバイオロジー、 超分子、光合成

分野

生物有機化学・有機合成・ケミカルバイオロジー・超分子化学

研究テーマ

・脳神経系を解析および操作するための薬剤の開発
・光や放射線を用いるがん治療のための薬剤の開発
・ナノ医療技術の開発

所属学会等

日本化学会、日本ペプチド学会、有機合成協会、光化学協会

URL

MAIL

tob_p206※cc.utsunomiya-u.ac.jp(※を半⾓@に変換してください)

TEL

028-689-6147

研究概要

私達はがんと精神疾患の克服を最終目標として、「有機合成」・「光」・「生物分子」の3者を組み合わせた研究を行っています。
1).がん治療用の薬剤分子の合成開発:がん細胞に特異的に発現するアミノ酸トランスポーターの阻害剤、ホウ素中性子捕捉療法用の薬剤、放射線治療の効果を高めるための薬剤、光線力学的治療用の光増感剤などの開発を行っています。
2).脳イメージング用蛍光色素の合成開発:神経細胞の活動をリアルタイムで可視化するための、高感度な膜電位感受性蛍光色素の開発を行っています。
3).ナノ医療技術の開発:光によって特定の神経細胞の機能を調整できるような未来技術の開発に挑戦しています。

教育・研究活動の紹介

分子が集合すると、元の分子にはなかった新たな機能が生じることがよくあります。このような分子集合体を超分子と呼びます。細胞膜も超分子ですし、iPS細胞をつくる「山中因子」も超分子です。私達の体を構成する細胞は数え切れないほどの超分子でできており、そうした超分子のはたらきが私達の健康と密接に関係しています。
私達は生物のもつ超分子の構造や機能、構成分子、それらの応用について、一貫して研究してきました。植物の光合成を司る光エネルギー変換システムの解明からスタートした研究は、その構成色素の光エネルギー伝達機能の有機化学的改良、色素と蛋白質の複合化、ナノ粒子化、超分子システムのモデル構築と進み、現在ではヒト細胞を構成する分子や超分子、とりわけ病気に関連するものを研究対象としています。「有機合成」・「光」・「生物分子」を要素技術として、工学部だからこその視点で未来の医療技術に挑んでいます。

今後の展望

ナノ医療分野、特に光を利用する治療技術(photopharmacology)は,今後の発展が期待される未来分野です。そのための光感受性薬剤の開発、ナノ粒子の合成、細胞機能を調整する技術の開発、光を患部に届ける技術の開発などを進めていく計画です。

社会貢献等

特許出願状況
・特開2007320903 (ナノ粒子)