研究概要
【算数・数学教育における数学的モデリングの学習指導の方策に関する研究】
現実の世界と数学の世界との行き来に焦点をあてた数学的モデリング(以下、モデリング)の過程や方法を重視した学習指導の実現可能性について実証的に研究しています。小学生や中学生がモデリングを自力で遂行することを支援するための教材づくりや授業づくりの方策について理論的に、実践的に開発しています。また、日々教えている算数・数学の学習内容の中から、現実の世界と数学の世界の行き来に関わる活動を見出し、モデリングを重視した単元・授業を開発・実践することを通じて、日常の算数・数学の授業の中で、モデリングに焦点をあてた活動を実践できようにするための方策についても実証的に研究しています。その際、ICT(グラフ電卓等)も積極的に取り入れています。
【算数・数学教育における統計的推論を促す学習指導の方策に関する研究】統計カリキュラムの新たな系統性として統計的推論(複数の統計的概念を関連づけて統計的情報や手続きについて説明し、判断する行為)に着目し、その基盤となる「分布の見方」に関して、小学生や中学生がどのように発揮させるかについて授業実践や実態調査を通じて研究しています。さらに、小・中学生の統計的推論を促進するための教材や授業の方策についても現場の先生方と協働しながら研究しています。統計の授業の中で、ICT(タブレットや電子黒板)も取り入れながら、子どもたちが持っている素朴な統計の素養を引き出し、伸ばすことも行っています。
教育・研究活動の紹介
算数・数学教育において、現実の世界とのつながりや統計教育は、今後一層重要視され、具体的な授業改善が求められてくるでしょう。算数・数学の授業の中で、現実の世界とのつながりを重視した授業や統計の授業をどのように実践していけばよいのかを、現場の先生と協働して授業を開発・実践しながら探究しています。そこで導かれる知見が、学校現場の授業改善の一助になればと考えています。
今後の展望
小・中学校における数学的モデリングや統計に興味・関心ある先生方と一緒に、新たな教材や授業の開発とその実践を行い、これらの分野の実践者コミュニティーを広げていきたいと考えています。また、小・中学校の先生方を対象とした、数学的モデリングや統計に関する研修も実施していきたいと考えています。
社会貢献等
学校現場の公開研究会での指導助言や算数・数学教育に関する講演を行っています。