研究概要
オオムギがもつオオムギ縞萎縮ウイルス(BaYMV)に対する抵抗性遺伝子はいくつか知られていますが、その機能はほとんど分かっていません。そこで、緑色蛍光タンパク質(GFP)を発現するウイルスを作製し、各種オオムギ品種に接種することで、GFP蛍光の場所(ウイルスが複製する場所)に違いがあることを明らかにしました(図)。さらに詳細に調べることで、抵抗性遺伝子の種類により「ウイルスの増殖を抑える」「上の葉への移行を抑える」などの違いがあることを明らかにしました。この結果により、抵抗性遺伝子をうまく組み合わせることで、さらに強いオオムギ品種が出来ることが期待されます。
我々はオオムギに限らず、キュウリやトマトなど、多くの作物のウイルスを扱って研究しています。
教育・研究活動の紹介
「植物病理学」ではいろんな「仕組み」を理解することで単に暗記科目にならないよう気を付けています。
「分子生物学実験」の内容と実験データをその後の「ゲノム解析論」でパソコンを使って解析することで、より深く理解するよう努めています。
今後の展望
さまざまなウイルスのワクチン開発。病気を起こすメカニズムの解明。
社会貢献等
グローバルサイエンスキャンパス(iP-U)「植物ウイルスとワクチン開発」
[特許] 非虫媒性トマト黄化葉巻ウイルス(日本:2012052530、国際特許:EP2695937)
(環境省)国民参加による気候変動情報収集·分析事業
(企業との共同研究)ワクチン開発、ウイルスの不活化装置の開発、など
ウイルス病の防除や活用に向けて共同研究しませんか?