研究概要
2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震津波や、近年の度重なる豪雨災害は従来想定していた規模を超え、今までの防災対策だけでは防ぎきれない状況となってきました。そのため複数の対策によって段階的に被害を減じていく多重防護による減災や、河川域のみならず氾濫域を含めた流域全体で水害を軽減させる流域治水を進めることが必要です。
日本では古くから海岸林や水害防備林が整備されていますが、このような伝統的な水害対策も多重防護や流域治水を構成する一要素として見直され、生態系を活用した防災・減災を表すEco-DRR(Ecosystem-based disaster risk reduction,他にもEbAやグリーンインフラなど)として国際的にも注目度が高まっています。このような植生がもたらす防災・減災効果について、周辺流況や作用力、洗堀現象等に着目しながら明らかにしていきます。
教育・研究活動の紹介
教育では、実験・演習科目を主に担当しています。1年生の基本的な力学に関する実験から、3年生の水理学に関する専門的な実験まで担当し、ステップアップしながら理解を深められるよう実施しています。
研究では、地域の水害・環境調査、UAVによる地形測量、室内模型実験、氾濫解析等を実施しながら各地域の水害対策について検討しています。
今後の展望
新たに導入したRTK搭載のUAV(Phantom 4 RTK)を地域の調査に活用し、精細なデータを効率良く取得し、水害対策を検討する上での基本データとして取り入れることで精度の向上を目指していきます。
社会貢献等
各地域で水害調査等を実施し、災害の実態や今後の対策について検討します。