研究概要
家畜の福祉の向上を目指し,家畜のストレスに関する研究を行っております。ヤギを用いた輸送ストレスの研究では,嘔吐反射を持たない反芻動物においても乗り物酔いをしている可能性を,行動学的・生理学的・形態学的手法を用いて,探っています。また,ウマの心理ストレスに関する研究も行っております。さらに,家畜のストレスの研究で培った動物のストレス評価の手法を活かし,有害野生鳥獣の被害対策についても手がけております。カラスをはじめとした有害野生鳥類が忌避する刺激の検討を行っております。
教育・研究活動の紹介
ヒト以外の動物が受けるストレスの評価は,単一の手法では見誤る可能性もあります。本研究室では,動物の行動観察の手技に長けているのみならず,血液成分などの生理学的パラメータの評価, 中枢神経系における反応の組織化学などの形態学的評価など,家畜や野生動物が受けるストレスを多面的に解析することを心掛けています。
今後の展望
嘔吐しない動物においても気分が悪くなるという感覚がある(吐き気を感じる)ことを明らかにすることが現在の最大の目標です。嘔吐に伴う様々な生理的反応によって,純粋な吐き気に伴う反応はかえって分かりにくくなっているはずです。逆にヤギなどの嘔吐をしない動物の研究により,吐き気の生理学的メカニズムが解明できるものと考えています。
カラスは,よく知られている割には実は基礎的な研究がほとんどされていない鳥類です。彼らの性質をよく知り,良い共存の道を探ることも,本研究室が目指すところです。
社会貢献等
高校生対象の出前授業、SSH などの経験が豊富です。
栃木県、日本中央競馬会、企業 等 との共同研究・受託研究の経験が豊富です。