研究概要
建築や都市は外部空間と人間の身体の間に存在し、暮らしやすい環境を形成する役割を有しています。つまり、その土地の気候や地理などの立地特性や環境資源をふまえ、建築の形状や仕様、設備を計画することが、個々の目指す建築都市環境実現のために非常に重要であるといえます。そこで、地域の建築物及び地域全体の環境性能の実態把握並びに地域の気候や地理、特産材などを活かしたシステムの提案に取り組んでいます。具体的には、様々な側面に配慮して設計された新旧の建築・都市空間について、特にエネルギーや体感などの室内外環境の側面から分析するともに、地域資源や立地特性を活かした建築や地域のあり方を探求、提案しています。検討にあたっては、温熱環境の実測や、建築物の熱負荷や風の動きなどをシミュレーションソフトによって解析しています。
教育・研究活動の紹介
教育・研究にあたっては、対象を多様な視点から捉え、複合的な提案をするよう意識しています。
今後の展望
文献調査、実地調査により地域の建築物や街並みの共通した気候に対する工夫や知恵を見出すとともに、これらの建築物内外の温熱環境の状態を捉えること、建設時・運用時・廃棄の一連のサイクルを通じた環境負荷を調査分析すること、さらにこれらの結果を総合的に分析し地域の建築物や地域全体としての環境性能の実態を捉えることを検討しています。そして、地域の資源やインフラ、既存建築物などを活用した、さらにエネルギー性能が高く、災害時への対応を考慮した建築物、都市空間の提案や、地域全体としてのエネルギーシステムの提案を行って行く予定です。
社会貢献等
これまで地域の立地特性に対応したデザインと室内環境との関係やエネルギーや資源の活用について検討を行ってきましたが、地域内外で広く共有し設計施工の際により有効に役立てられるような形で公開していきたいと考えています。