研究概要
近年、木造建築物はこれまでの低層(2階建て程度)の戸建住宅から大きな商業施設・庁舎や中層の集合住宅・事務所建築などその規模と用途が広がってきています。このような木造建築を取り巻く変化のなかで、木造建築物の構造材として用いる新しい木質構造部材の開発を行う研究や、CLT(Cross Laminated Timber)などの既に実用化されている木質構造材の各種性能を評価するための研究を行っています。宇都宮大学が立地する栃木県は良質なスギ材やヒノキ材の産地です。このような地元の良質な木材を活用するための研究も行っており、NLT(Nail Laminated Timber)を木造建築物の構造材として利用するための研究や鉄骨造などによる建物の外装下地材として利用するための研究も手がけています。
教育・研究活動の紹介
日本の山には戦後植林した樹木が多くあり、今、伐採し利用する時期を迎えています。日本の各地域で生産された木材を木造建築に限らず、鉄骨造や鉄筋コンクリート造の建物などへの利用も含め、幅広く使うことが地域の産業を育み、地域の治山治水に寄与します。当研究室では近年、以下のような研究を行っています。
(1)NLT(Nail Laminated Timber)の製造方法と部材性能に関する研究
(2)CLT(Cross Laminated Timber)の強度性能に関する研究
(3)NLTを鉄骨造の床版または外壁下地材として利用するための研究
(4)CLTを構造材とする陸屋根の通気・乾燥機構に関する研究
(5)木質構造一般について、その構造設計法に関する研究
(6)地域材を用いた建築物の環境貢献度合いを評価するための研究
今後の展望
現在実施している多くの研究は地元のみなさまのご支援を頂きながら行っています。また、学内の他分野の先生方のお知恵を借りながら実施しているものもあります。地域のみなさまや学内の他分野の先生方と連携しながら、新しい製品や技術を開発し、社会に発信できればと考えています。また、「林業×木材産業×建築」をキーワードとする産学官の連携拠点を構築できればとも思っています。
社会貢献等
多くの学協会の審査会・学術委員会のメンバーです。