研究概要
様々な厳しい条件を抱えて生活される人が自身のもてる力を十分に発揮し,周囲のヒトやモノとのコミュニケーションや相互交渉を拡げていくような教育的係わり合いについて,実践研究(Action Research)を行なっています。
教育・研究活動の紹介
ある人において,あるとき,“とまどい”や“つまづき”,“とどこおり”が起こることを“障害”ととらえれば,教育的係わり合いのなかでは,厳しい条件を抱える方のみならず,係わり手もまた障害状況に直面します。こうした障害状況から立ち直るための方略を考え,工夫し,実践することが,教育においては学生に願うことであり,そうした取り組みから得られた見識を蓄積することが研究の目指すところでもあります。
今後の展望
教育的係わり合いにおいては,コミュニケーションの視点が重要です.コミュニケーションは,共同性と相互性の二面からとらえることができますが,共同性に関する研究の蓄積が必要です。障害の重い方と係わり手との教育的係わり合いの資料に基づき,相互行為分析を重ねるなかで,共同性の諸相を明らかにしていきたいと考えています。
社会貢献等
様々な厳しい条件を抱えて生活される方の教育相談をしています。また,学校や施設を訪問し,教員や職員と一緒に障害の重い方との教育的係わり合いを重ねたり,教育実践の検討をしたりしています。なお,ここでいう“障害の重い人”とは,重度・重複障害,重症心身障害,超重症児,重度知的障害,先天盲ろう,などの条件を抱えている人のことをいいます。